中華人民共和国商標法実施条例
 
(2002年8月3日中華人民共和国国務院令第358号公布)
 
第一章 総則
 
第一条 「中華人民共和国商標法」(以下、商標法と略称)に基づき、本条例を制定する。
 
第二条 本条例における商品商標に関する規定は、役務商標にも適用する。
 
第三条 商標法及び本条例にいう商標の使用とは、商標を商品、商品の包装又は容器、及び商品取引書に用い、若しくは広告宣伝、展示及びその他の商業活動に商標を用いることをいう。
 
第四条 商標法第六条にいう国家が必ず登録商標を使用しなければならないと定めた商品とは、法律及び行政法規に必ず登録商標を使用しなければならない商品であると規定したものをいう。
 
第五条 商標法及び本条例の規定に基づき、商標登録、商標再審の過程において紛争が生じた場合であって、且つ関係当事者がその商標が著名商標に該当すると認める場合には、商標局又は商標評審委員会に著名商標の認定を請求し、商標法第十三条の規定に従って商標登録出願を拒絶させ、又は商標法第十三条に違反した商標登録を取消させることができる。当事者が請求する場合には、著名商標に該当する証拠を提出しなければならない。
商標局、商標評審委員会は当事者の請求により、事実を明らかにした上、商標法第十四条の規定に基づき、その商標が著名商標に該当するか否かを認定することができる。
 
第六条 商標法第十六条に規定した地理的表示を、商標法及び本条例の規定に基づき、証明商標又は団体商標として商標登録出願することができる。
地理的表示が証明商標として登録された場合には、その商品が当該地理的表示の使用条件を満たす自然人、法人又はその他の組織は、当該証明商標の使用を請求することができ、当該証明商標を管理する団体はそれを承認しなければならない。地理的表示が団体商標として登録された場合には、その商品が当該地理的表示の使用条件を満たす自然人、法人又はその他の組織は、当該地理的表示を団体商標として登録する団体、協会又はその他の組織への参加を請求することができ、当該団体、協会又はその他の組織はその定款により会員として受け入れなければならない。当該地理的表示を団体商標として登録した団体、協会又はその他の組織への参加を請求しない場合であっても、当該地理的表示を正当に使用することができ、係る団体、協会又はその他の組織はそれを禁止する権利を有しない。
 
第七条 当事者が商標代理組織に委託し、商標登録出願又はその他の商標関連手続を取り扱わせる場合には、代理委託書を提出しなければならない。代理委託書には代理内容及びその権限を明記しなければならない。外国人又は外国企業の代理委託書には、委託人の国籍を明記しなければならない。
外国人又は外国企業の代理委託書及びその関連証明書類の公証、認証手続は、対等の原則に基づき行わなければならない。
商標法第十八条にいう外国人又は外国企業とは、中国に恒常的居所又は営業所を有していない外国人又は外国企業のことをいう。
 
第八条 商標登録出願又はその他の商標関連手続を行う場合には、中国語を使用しなければならない。
商標法及び本条例に規定した各種の証書、証明書類及び証拠資料が外国語のものである場合には、中国語の訳文を添付しなければならない。それを添付していない場合には、係る証書、証明書類又は証拠資料を提出していないものと見なす。
 
第九条 商標局、商標評審委員会の職員は以下に掲げる情状の一がある場合には、回避しなければならない。当事者又は利害関係人はその回避を要求することができる。
(1)当事者、若しくは当事者又は代理人の近親者である場合。
(2)当事者又は代理人とその他の関係を有し、公正を妨げるおそれがある場合。
(3)商標登録出願又はその他の商標関連手続について利害関係を有する場合。
 
第十条 本条例に別途の規定がある場合を除き、当事者が商標局又は商標評審委員会に提出する書類又は資料の提出日について、手交する場合には、手交日を提出日とし、郵送する場合には、差出しの消印日を提出日とし、消印が明らかではなく又は無い場合には、商標局又は商標評審委員会が実際に受取った日を提出日とする。但し、当事者が実際の消印日の証拠を提出する場合にはこの限りでない。
 
第十一条 商標局又は商標評審委員会は、各種書類を郵送、手交、又はその他の方式によって当事者に送達することができる。当事者が商標代理組織に委託する場合には、書類が代理人に送達したことにより、当事者に送達したものと見なす。
商標局又は商標評審委員会が当事者に送達する各種書類の送達日について、郵送した場合には、受取りの消印日を提出日とし、消印が明らかではなく又は無い場合には、書類を発送した日より15日の満了をもって当事者に送達したものと見なす。手交する場合には、手交日を提出日とする。書類を郵送又は手交することができない場合には、公告をもって当事者に送達することができ、公告を発布する日より30日の満了をもって当事者に送達したものと見なす。
 
第十二条 国際商標登録については、わが国の加盟した関連国際条約に基づき取り扱われる。具体的取り扱いは国務院工商行政管理部門により規定される。
 
第二章 商標登録の出願
 
第十三条 商標登録出願する場合、公布された商品及び役務分類表に基づき、区分毎に出願しなければならない。商標登録出願は一件毎に、「商標登録願書」一通、商標見本5部、色彩を指定する場合には、着色見本5部、白黒見本1部を提出しなければならない。
商標見本は明瞭で、貼付しやすく、光沢のある丈夫な紙に印刷されたものとし、又は代用写真を用いることとしなければならない。縦横それぞれ10cmを越えず、5cmを下回らない大きさのものでなければならない。
立体的形状を商標登録出願する場合には、その旨を願書に声明し、且つ立体的形状を確定することができる見本を提出しなければならない。
色彩の組合せを商標登録出願する場合には、その旨を願書に声明し、且つ文字による説明を合わせて提出しなければならない。
団体商標、証明商標を商標登録出願する場合には、その旨を願書に声明し、且つ主体資格証明書類と使用管理規則を提出しなければならない。
商標が外国語のものであり、又は外国語を含む場合には、その意味を説明しなければならない。
 
第十四条 商標登録出願する場合には、出願人はその身分を証明することができる有効証書の写しを提出しなければならない。商標登録出願人の名義は提出した証書と同一にしなければならない。
 
第十五条 商品の名称又は役務項目は、商品・役務分類表に基づき記入しなければならない。商品の名称又は役務項目が商品・役務分類表に含まれていない場合には、その商品又は役務の説明を付さなければならない。
商標登録出願などの関係書類はタイプ又は印刷しなければならない。
 
第十六条 同一の商標を共同で商標登録出願する場合には、願書において代表者を一名指定しなければならない。代表者を指定していない場合には、願書の一番目に記載された者を代表者とする。
 
第十七条 出願人がその名義、住所、代理人を変更し、又は指定商品を減縮する場合には、商標局に変更手続を行うことができる。
出願人がその商標登録出願権を譲渡する場合には、商標局に譲渡手続を行わなければならない。
 
第十八条 商標登録の出願日は、商標局が出願書類を受領した日とする。出願手続が完備され、且つ規定した通りに出願書類が記載されている場合には、商標局はこれを受理し、且つ書面により出願人に通知する。出願手続に不備があり、又は規定した通りに出願書類が記載されていない場合には、商標局はこれを受理せず、書面により出願人に通知し且つ理由を説明する。
出願手続が基本的に完備され又は出願書類が基本的に規定を満たしているが、補正を必要とする場合には、商標局は出願人に通知し補正させ、通知を受領した日より30日以内に指定した内容に基づき補正し且つ商標局に提出した場合には、出願日を維持する。期間内に補正しない場合には、出願権の放棄と見なし、商標局は出願人に書面で通知しなければならない。
 
第十九条 二又は二以上の出願人が、同一又は類似した商品について、同一又は類似した商標をそれぞれ同日に登録出願した場合には、各出願人は商標局の通知を受領した日より30日以内に、その登録出願前に当該商標を使用した証拠を提出しなければならない。同日に使用し又はいずれも使用していない場合には、各出願人は商標局の通知を受領した日より30日以内に、自発的に協議することができ、且つ協議書を商標局に送付しなければならない。協議に応じられない又は協議が整わない場合には、商標局が各出願人に通知し、且つ抽選で出願人を一名確定し、その他の出願人による登録出願を拒絶する。商標局は既に通知したにもかかわらず出願人が抽選に参加しなかった場合には、出願権の放棄と見なす。商標局はその旨を書面により抽選に参加しなかった出願人に通知しなければならない。
 
第二十条 商標法第二十四条の規定に基づき優先権を主張する場合には、出願人は第一国に提出した商標登録出願書類の副本について当該出願を受理した商標主管機関から証明を受け、且つ出願日及び出願番号を付さなければならない。
商標法第二十五条の規定に基づき優先権を主張する場合には、出願人は提出した証明書類について国務院工商行政管理部門から認証を受けなければならない。商品が展示された国際展覧会が中国国内で開催された場合はこの限りでない。
 
第三章 商標登録出願の審査
 
第二十一条 商標局は受理した商標登録出願について審査し、商標法及び本条例の関連規定を満たす登録出願又は一部の指定商品について登録要件を満たす登録出願の場合には、初歩審定をし、且つ公告する。規定を満たさない登録出願又は一部の指定商品について登録要件を満たさない登録出願の場合には、これを拒絶し又はその一部の指定商品について商標を使用することを拒絶し、且つ書面で出願人に通知しその理由を説明する。
商標局がその一部の指定商品について商標登録出願を初歩審定した場合、出願人は異議申立期間内に、一部の指定商品について商標登録出願を取り下げることができる。出願人は一部の指定商品について商標登録出願を取り下げる場合には、商標局は当該初歩審定を取消し、審査手続を中止し、改めて公告しなければならない。
 
第二十二条 商標局に初歩審定され且つ公告された商標について異議を申立てる場合には、異議申立人は商標局に商標異議申立書を一式二部提出しなければならない。商標異議申立書には異議申立てされた商標が掲載された「商標公告」の発行号数及びその初歩審定番号を明記しなければならない。商標異議申立書には明確な請求と事実根拠を記入し、且つ関連証拠資料を添付しなければならない。
商標局は商標異議申立書の副本を速やかに被申立人に送付し、且つ商標異議申立書の副本を受領した日より30日以内に答弁させなければならない。被申立人が答弁しなくとも商標局の審決は妨げられない。
当事者は異議申立又は答弁した後、関連証拠資料を補充する場合には、異議申立書又は答弁書にその旨を声明し、且つ異議申立書又は答弁書を提出した日より3ヶ月以内に提出しなければならない。期間内に提出しない場合には、当事者は関連証拠資料の補充を放棄したものと見なす。
 
第二十三条 商標法第三十四条第2項にいう異議の成立は、一部の指定商品についての成立を含む。異議が一部の指定商品について成立する場合には、当該指定商品についての商標登録出願を登録査定しない。
異議を申立てられた商標の異議審決が発効される前に、登録公告を発行した場合にはその登録公告を取消す。異議審決により登録を認められた商標は改めて公告する。
異議審決により登録査定された商標は、当該商標の異議申立期間満了日より異議審決が発効されるまでに、他人の同一又は類似した商品について当該商標と同一又は類似した標章の使用に対しては、遡及力を有しない。但し、当該使用者の悪意により商標登録人に損失を及ぼした場合、これを賠償しなければならない。
異議審決により登録が認められた商標について、審判請求の期限は異議審決の公告日より起算する。
 
第四章 登録商標の変更、譲渡、更新
 
第二十四条 商標登録人の名義、住所又はその他の登録事項を変更する場合には、商標局に変更申請書を提出しなければならない。商標局は承認した後、商標登録人に相応の証明を付与し、且つ公告する。承認しない場合には、書面により申請人に通知し、且つその理由を説明しなければならない。
商標登録人の名義を変更する場合には、関係登録機関により出された変更証明書類を提出しなければならない。変更証明書類を提出しない場合には、申請日より30日以内に補充しなければならない。期間内に補充しない場合には変更申請を放棄したものと見なす。商標局はその旨を書面により申請人に通知しなければならない。
商標登録人の名義又は住所を変更する場合には、商標登録人はその登録商標の全部を一括して変更しなければならない。一括して変更しない場合には、変更申請を放棄したものと見なす。商標局はその旨を書面により申請人に通知しなければならない。
 
第二十五条 登録商標を当事者間の協議により譲渡する場合には、譲渡人と譲受人は商標局に「登録商標譲渡申請書」を提出しなければならない。登録商標譲渡申請の手続きは譲受人により行う。商標局は認可した後、譲受人に相応の証明書を交付し、且つ公告する。
登録商標を譲渡する場合には、商標登録人はその同一又は類似した商品について登録した同一又は類似した商標を一括して譲渡しなければならない。一括して譲渡しない場合には、商標局は通知し、期限を限り補正させる。期間内に補正しない場合には、商標登録人の当該登録商標の譲渡申請は取下げられたものと見なす。商標局はその旨を書面で出願人に通知しなければならない。
誤認、混同又はその他の悪影響をもたらすおそれがある登録商標譲渡申請については、商標局はこれを認可せず、書面により申請人に通知し理由を説明する。
 
第二十六条 譲渡以外の理由により、商標権の移転が発生する場合には、当該商標権を受ける当事者は関係証明文書をもって、商標局に商標権の移転手続をしなければならない。
商標権を移転する場合には、商標権者は同一又は類似した商品について登録した同一又は類似した商標を一括して移転しなければならない。一括して移転しない場合には、商標局は期限を限り補正させる。期間内に補正しない場合には、当該登録商標移転申請を取下げたものと見なす。商標局は書面により申請人に通知する。
 
第二十七条 登録商標の更新登録をする必要がある場合には、商標局に商標更新登録願書を提出しなければならない。商標局はそれを認可し相応の証明書を発行し、且つ公告する。
更新された商標権の有効期間は、前回の有効期間が満了する日の翌日より起算する。
 
第五章 商標評審
 
第二十八条 商標評審委員会は商標法第三十二条、第三十三条、第四十一条、第四十九条の規定に基づいて提出した商標再審の請求を受理する。商標評審委員会は事実に基づいて、法律に従って再審を行う。
 
第二十九条 商標法第四十一条第3項にいう「登録商標に異議がある」とは、先願に係る登録商標の商標登録人が後願に係る他人の商標登録は自分の登録商標と同一又は類似の商品について同一又は類似する商標であると認めることをいう。
 
第三十条 商標再審を請求する場合、商標評審委員会に請求書類を提出し、同時に相手側の当事者の数と相応する部数の副本を提出しなければならない。商標局の決定書又は裁定書に基づいて再審を請求する場合、同時に商標局の決定書又は裁定書の副本を提出しなければならない。
商標評審委員会は請求書類を受取った後、審査し、受理条件に合致しているものは受理し、受理条件に合致しないものは書面により請求人に理由を通知し、受理しない。補正する必要のあるものは請求人に通知し、請求人は30日以内に補正する。補正しても規定に合致しないものは商標評審委員会は受理せず、書面により請求人に理由を通知する。期間を満了しても補正しないものは、請求を取下げたものと見なし、商標評審委員会は書面により請求人に通知する。
商標評審委員会は商標再審の請求を受理した後に、受理条件に合致しないことを発見した場合、それを拒絶し、且つ書面により請求人に理由を通知する。
 
第三十一条 商標評審委員会は商標再審の請求を受理した後、即時に請求書類の副本を相手側の当事者に送付し、30日以内に答弁するよう要求する。期間内に答弁しなかった場合でも、商標評審委員会の再審は妨げられない。
 
第三十二条 当事者は再審の請求を提出してから又は答弁してから関係証拠を補充する必要がある場合、請求書類又は答弁書にその旨を声明し、請求書類又は答弁書を提出してから三ヶ月以内に提出しなければならない。期間内に提出しなかった場合、関係証拠を補充しないものと見なす。
 
第三十三条 商標評審委員会は当事者の要求に応じて、又は情状により、再審の請求に対して公開審判を行うことができる。
商標評審委員会は再審の請求に対して、公開審判を行うと決定した場合、公開審判の15日前に当事者に通知し、公開審判の期日、場所及び審判官を知らせる。当事者は通知書により指定された期間内に回答しなければならない。
請求人が回答もせず公開審判にも参加しない場合、再審の請求を取下げたものと見なし、商標評審委員会は書面により請求人に通知する。被請求人が回答もせず公開審判にも参加しない場合は、商標評審委員会は欠席のまま公開審判をすることができる。
 
第三十四条 請求人は商標評審委員会が決定、裁定する前に、請求を取下げを求める場合、書面により商標評審委員会に理由を説明し、取下げることができる。請求を取下げたとき、再審は終結する。
 
第三十五条 請求人は商標の再審を取下げた場合、同じ理由又は事実により再び再審を請求することはできない。商標評審委員会は商標の再審請求に対して、既に裁定又は決定を下した場合、何人も同じ理由又は事実により再び再審を請求することはできない。
 
第三十六条 商標法第四十一条の規定により取消した登録商標に対して、その商標専用権は最初からなかったものと見なす。関係登録商標を取消した決定又は裁定は、取消す前に人民法院が既に執行した商標権侵害事件の判決又は裁定、工商行政管理部門が既に執行した商標権侵害事件の処理決定、及び既に履行した商標譲渡又は使用許諾契約に対しては遡及しない。但し、商標登録人の悪意により他人に損失を与えた場合は、これを賠償しなければならない。
 
第六章 商標使用の管理
 
第三十七条 登録商標を使用する場合、商品、商品の包装、使用説明書、又はその他の付随するものに「登録商標」又は登録マークを表記することができる。
登録マークは(注の外を○で囲んだもの)と(Rの外を○で囲んだもの)を含む。登録マークは商標の右上又は右下に表記する。
 
第三十八条 「商標登録証」を遺失し又は破損した場合、商標局に再交付を申請しなければならない。「商標登録証」を遺失した時は、「商標公告」に遺失声明を掲載しなければならない。破損した「商標登録証」は再交付申請を提出すると同時に、商標局に返納しなければならない。
「商標登録証」を偽造又は変造した場合、刑法の国家機関証明文書偽造、変造罪又はその他の罪に対する規定に照らして、法律に基づき刑事責任を追及する。
 
第三十九条 商標法第四十四条第一、二、三号の行為の一つがある場合は、工商行政管理部門が商標登録人に期間を定めて是正を命じる。是正を拒んだ時は、商標登録人の所在地の工商行政管理部門が商標局に報告し、その登録商標の取消しを求める。
「商標法」第四十四条第四号の行為がある場合には、何人も商標局に関係状況を報告し、当該登録商標の取消しを求めることができる。商標局は商標登録人に通知し、商標登録人は通知を受け取った日より二ヵ月以内に、当該商標の取消請求が提出される前の商標使用の証拠資料又は不使用の正当理由を提出しなければならない。期間内に使用の証拠資料を提出せず又は証明が無効であり、且つ不使用の正当理由がない場合は、商標局はその登録商標を取消す。
前項でいう商標の使用の証拠資料とは、商標登録人が登録商標を使用する場合の証拠資料と商標登録人が他人に登録商標の使用を許諾する場合の証拠資料を含む。
 
第四十条 商標法第四十四条、第四十五条の規定に従い取消した登録商標について、商標局は公告する。当該商標専用権は商標局の取消し決定がなされた日より失効する。
 
第四十一条 商標局、商標評審委員会が取消した登録商標について、取消し理由が一部の商品に限った場合、当該部分の指定商品に使用する登録商標を取消す。
 
第四十二条 商標法第四十五条、第四十八条の規定により罰金を科す場合、その罰金額は不法所得の20%以下又は不法利益の2倍以下とする。
商標法第四十七条の規定により罰金を科す場合、その罰金額は不法所得の10%以下とする。
 
第四十三条 商標登録人が他人にその登録商標の使用を許諾する場合は、許諾者は契約締結日から3ヵ月以内に許諾契約書の副本を商標局に登録のために届出なければならない。
 
第四十四条 商標法第四十条第2項の規定に違反した場合、工商行政管理部門は期限を定め是正を命じる。期間を過ぎても是正しなかった場合は、その商標標識を没収し、商標標識と商品が分割しがたい場合は、商品を同時に没収し、処分する。
 
第四十五条 商標の使用が商標法第十三条の規定に違反する場合、関係当事者は工商行政管理部門に使用禁止を請求することができる。当事者は請求を申請する場合、当該商標が著名商標であることを証明する材料を提出しなければならない。商標局は商標法第十四条の規定に基づいて著名商標と認定した場合、工商行政管理部門は権利侵害者の商標使用行為を差し止め、商標標識を没収し、廃棄させる。商標標識と商品が分割しがたい場合は、商品を同時に没収し、処分する。
 
第四十六条 商標登録人がその登録商標の抹消、又はその登録商標の一部の指定商品の抹消を申請する場合、商標局に商標抹消請求書を提出し、元「商標登録証」を返納しなければならない。
商標登録人がその登録商標の抹消、又はその登録商標の一部の指定商品の抹消を申請する場合、当該商標の専用権又は当該登録商標の指定商品における効力は、商標局が抹消請求を受理した日より失効する。
 
第四十七条 商標登録人が死亡又は消滅し、死亡又は消滅した日より一年経過後も当該登録商標の変更手続きをしなかった場合、何人も商標局に当該登録商標の抹消登録を申請することができる。抹消を申請する場合、商標登録人の死亡又は消滅の証拠を提出しなければならない。
登録商標を商標登録人の死亡又は消滅により抹消する場合、当該商標専用権は商標登録人の死亡又は消滅した日より失効する。
 
第四十八条 登録商標が取消され、又は本条例第四十六条、第四十七条の規定に基づいて抹消された場合、もとの「商標登録証」は失効する。当該商標は一部の指定商品を取消された場合、又は商標登録人が一部の指定商品での取消を申請した場合、商標局はもとの「商標登録証」に注釈を加えて返還し、又は新しい「商標登録証」を発行し、それを公告する。
 
第七章 商標権の保護
 
第四十九条 登録商標にその商品の一般名称、図形、規格とサイズ、又は直接的に商品の品質、主要原材料、機能、用途、重量、数量、及びその他の特徴を表示する、又は地名を含む場合、商標登録者は他人の正当な使用を禁止することができない。
 
第五十条 次に掲げる行為の一つがある場合は、「商標法」第五十二条第五号でいう登録商標の専用権を侵害する行為と見なす。
(1)同一又は類似の商品に、他人の登録商標と同一又は類似の標章を商品名又は外観装飾として使用し、公衆の誤認を生じさせる場合。
(2)他人の登録商標の専用権を侵害する行為のために、故意に保管、運送、郵送、隠匿などの便宜を図る場合。
 
第五十一条 登録商標の専用権の侵害について、何人も工商行政管理部門に提訴又は告発することができる。
 
第五十二条 登録商標の専用権を侵害する行為に対する罰金額は、不法所得の3倍以下とする。不法所得が算出しがたい場合、罰金額は10万元以下とする。
 
第五十三条 商標登録人は、自分の著名商標が他人により企業名称として登録され、公衆を騙し又は公衆誤認をもたらすと考える場合、企業名称登記主管機関に当該企業名称の登録の取消しを請求することができる。企業名称登記主管機関は「企業名称登記管理規定」に基づき処理する。
 
第八章 附則
 
第五十四条 1993年7月1日まで継続して使用してきた役務商標については、同一又は類似する役務区分で既に登録された他人の役務商標と同一又は類似する場合であっても、引き続き使用することを認める。但し、1993年7月1日より使用を三年以上中断したものは継続して使用してはならない。
 
第五十五条 商標代理の具体的管理方法は国務院より別途規定する。
 
第五十六条 商標登録用の商品及び役務分類表は、国務院工商行政管理部門が制定し、公布する。
商標登録出願及びその他の商標事務の書式は、国務院工商行政管理部門が制定し、公布する。
商標評審委員会の評審規則は国務院工商行政管理部門が制定し、公表する。
 
第五十七条 商標局は「商標登録簿」を置き、登録商標及び関係登録事項を記載する。
商標局は「商標公告」を編集発行し、商標登録及びその他の関係事項を掲載する。
 
第五十八条 商標登録又はその他の商標関連手続については、費用を納付しなければならない。費用納付の項目と基準は、国務院工商行政管理部門と国務院価格主管部門が共同して制定し、公布する。
 
第五十九条 本条例は、2002年9月15日より施行する。1983年3月10日国務院公布、1988年1月3日国務院第一回改正承認、1993年7月15日国務院第二回改正承認した「中華人民共和国商標法実施細則」、及び1995年4月23日の「国務院による商標登録の証明書送付問題に関する回答」は、これと同時に廃止する。  
 

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