中華人民共和国植物新品種保護条例実施細則(農業部分)
 
(1999年6月16日農業部令第13号公布)
 
第1章 総則
 
第1条 「中華人民共和国植物新品種保護条例」(以下「条例」と略称する)に基づき、本細則を制定する。
 
第2条 農業植物新品種には、食糧(穀物、豆類、イモ類など)、綿花、油料種子、麻類、糖料作物、野菜(メロンを含む)、タバコ、桑樹、茶樹、果樹(乾果は除く)、観葉植物(木本は除く)、草類、緑肥、漢方薬草などの植物及びゴムなどの熱帯作物の新品種を含む。
食用菌の新品種保護は本細則の規定を適用する。
 
第3条 「条例」第3条の規定に基づき、農業部を農業植物新品種育成者権の審査承認機関とし、「条例」の規定により農業植物新品種育成者権(以下育成者権と略称する)を付与する。
農業部植物新品種保護事務局(以下農業事務局と略称する)は、育成者権の出願の受理と審査業務を担当し、その他関連事務を管理する。
 
第4条 公共の利益、生態環境に損害を与える植物新品種については育成者権を付与しない。
 
第2章 育成者権の内容と帰属
 
第5条 「条例」に言う繁殖材料とは、繁殖できる植物の種子と植物体のその他部分を指す。
 
第6条 育成者権を出願する組織又は個人を育成者権出願者と総称する。育成者権を得た組織と個人を育成者権者と総称する。
 
第7条 「条例」第7条に言う当該執行組織の任務として完成した職務上の育種とは
(1)本職業務において完成した育種。
(2)当該履行組織の交付する本職業務以外の任務で完成した育種。
(3)退職、定年退職又は転職後、3年以内に完成したその元の組織で担当した業務若しくは元の組織で割当てられた任務に関連する育種。
「条例」第7条に言う当該組織の物質条件とは、当該単位の資金、機器設備、試験場地及び単位が所有する又は所持する未許可・未公開の育種材料と技術資料などを指す。
 
第8条 「条例」に言う新品種の育種を完成させた者とは、新品種の育種を完成した組織や個人を指す。
 
第9条 新品種の育種を完成させた人員(以下育成者と略称する)とは、新品種の育成に対して創造的な貢献をした者を指す。組織管理業務、物質条件の利用の為に便宜を図った者若しくはその他補助業務に従事した者は育成者とはみなさない。
 
第10条 同一の新品種を2つ以上の出願者がそれぞれ同時に育成者権を出願した場合、農業事務局は出願者に指定の期限内に自身が初めに当該新品種を完成させたことを証明する証拠を提出するよう要求することができる。期限を過ぎても提出しない若しくは提出した証拠が証拠の判定として不足する場合、出願者自ら協議の上、出願権の帰属を確定する。協議に一致の意見が見られない場合、農業事務局が出願を却下することができる。
 
第11条 中国の組織や個人が中国国内で育成した新品種の育成者権の出願権又は育成者権を外国人へ譲渡する際、職業上の育種に属する場合、省レベルの人民政府農業行政部門の審査・同意(中央企業は主管部門の審査・同意を経る必要がある)を経て、農業部へ審査・許可を届け出る。非職業上の育種に属する場合、直接農業部へ審査・許可を届け出る。国有単位は国内で育成者権の出願権又は育成者権を譲渡する場合は、その従属の上級主管部門が審査承認する。
育成者権の出願権又は育成者権を譲渡する場合、農業部が公告し、併せて公告日より発効する。
 
第12条 次の状況の1に該当する場合、農業部は、生産、販売など新品種の強制実施の許諾を決定することができる。
(1)国家の利益と公共の利益のために必要な場合。
(2)育成者権者が正当な理由もなく自身で実施しない、又は合理的な条件での実施を他人に許諾しない場合。
(3)重要な農作物の品種について、育成者権者が既に実施しているものの、国内市場の需要を明らかに満たすことができおらず、合理的な条件での実施を他人に許諾しない場合。
強制実施を請求する場合、農業部へ強制実施請求書を提出しなければならず、理由を説明し併せて関連の証明文書を各1式2部添付しなければならない。
 
第13条 「条例」第11条第2項の規定に基づき、農業部へ実施料の金額について裁決を申請する場合、当事者は裁決申請書を提出し、併せて協議不成立の証明文書を添付しなければならない。農業部は請求書を受領した日から3ヶ月以内に裁決を下し、当事者に通知しなければならない。
 
第3章 育成者権の付与条件
 
第14条 「条例」第45条の規定に基づき、「条例」実施以前に初回に植物新品種保護リストに組入れられたものと「条例」実施後新たに植物新品種保護リストに組入れられた植物属名又は植物種名について、リストの公布日から2年以内に提出された育成者権の出願で、育成者権所有者の許可を経て、中国国内で当該品種の繁殖材料の販売期間が4年未満であり、「条例」に規定する特異性、一致性と安定性及び命名の要求に符合する場合、農業部は育成者権を付与する。
 
第15条 条例第18条の規定に基づき、次の情状に該当する場合、新品種の命名に用いてはならない。
(1)数字のみで構成されている場合
(2)国家の法律や社会の公徳に違反する若しくは民族差別を帯びている場合。
(3)国家の名称を命名する場合。
(4)県クラス以上の行政区画の地名や公衆が周知の外国の地名を命名する場合。
(5)政府間の国際組織又はその他国際・国内で有名な組織及び標識の名称と同じ若しくは類似する場合。
(6)植物新品種の特徴、特性又は育成者の身分など容易に誤解を招く可能性のある場合。
(7)同じ又は類似の植物属名や植物種名に属し既に名称が知れている場合。
(8)誇大宣伝の場合。
 
第4章 育成者権の出願と受理
 
第16条 中国の組織又は個人が育成者権を出願する場合、直接若しくは農業部が指定する代理機関へ委託し農業事務局へ出願を届け出ることができる。
 
第17条 中国に通常の居所又は営業所のない外国人、外国企業又はその他外国の組織が農業事務局へ育成者権の出願を届け出る場合は、農業事務局が指定する渉外代理機関に委託し取り扱う。
 
第18条 出願者が代理機関に委託し農業事務局へ育成者権を申請する又はその他育成者権の事務を取り扱う場合は、同時に委任状を提出し、委託権限を明確にしなければならない。農業事務局は関連手続きにおいて直接代理機関と連絡をとる。
出願者が2箇所以上で代理機関にも委託していない場合、どちらか一方を代理人として明確にしなければならない。
 
第19条 育成者権を出願する場合、農業事務局へ出願書、証明書(説明書の要旨、技術的意見調査表を含める)、写真を各1式2部提出しなければならない。
 
第20条 出願書には以下の内容が含まれていなければならない。
(1)新品種の暫定的な名称。
(2)新品種が属する属又は種の中国語による名称とラテン語による名称。
(3)育成者の氏名。
(4)出願者の氏名又は名称、住所、郵便番号、担当者、電話、ファックス。
(5)出願者の国籍。
(6)出願者が外国企業又はその他組織である場合、その本部のある国家。
(7)新品種の育成開始・終了日時と主要な育成地。
 
第21条 説明書には以下の内容が含まれていなければならない。
(1)新品種の暫定的な名称、当該名称は出願書の名称と一致しなければならない。
(2)新品種が属する属又は種の中国語の名称とラテン語の名称。
(3)関連の当該新品種と国内外の同類の品種を対比する背景的な資料説明。
(4)育種過程と育種方法、系譜、育成過程で使用した本体又は繁殖材料の説明。
(5)販売状況に関連する説明。
(6)当該新品種の特異性、一致性と安定性についての詳細説明。
(7)成長に適した区域又は環境及び栽培技術の説明。
説明書の中にその他植物品種を低く評価する又はその使用価値を誇張する言葉を含んではならない。その秘術の意見調査は審査料を納付する際に提出することができる。
 
第22条 条例第21条に言う写真は以下の要求に符合しなければならない。
(1)写真は申請する品種の特異性を説明するのに有益である。
(2)性質と経常の対比は同一の写真上になければならない。
(3)写真はカラーによるが、必要な場合、農業事務局は出願者に白黒写真の提供を要求することができる。
(4)写真の規格は8.5×12.5cm又は10cm×15cm
(5)写真の概要について文字による説明。
 
第23条 育成者権の出願文書が次の情状の1に該当する場合、農業事務局は受理しない。
(1)出願書、説明書又は写真のひとつが不足する場合。
(2)中国語を使用していない場合。
(3)規定の様式に符合していない場合。
(4)書類に押印がない場合。
(5)筆跡が不明瞭である若しくは書き直しのある場合。
(6)出願者の氏名又は名称、住所、郵便番号に不足のある場合。
 
第24条 農業部事務局が必要と認める場合、出願者は出願品種と対象品種の繁殖材料を引渡し、出願品種の審査と検査・測定に用いなければならない。
 
第25条 出願者が提出した繁殖材料は出願書類に記述した当該植物新品種の繁殖材料と一致しなければならず、且つ次の要求に符合しなければならない。
(1)予想外の損害や薬物処理を受けていない。
(2)検疫的な有害生物がない。
(3)提出する繁殖材料が種子である場合、種子は最近収穫したものでなければならない。
繁殖材料を提出する時間、数量及びその他品質の要求は、農業事務局と本細則第26条、第27条、第28条の規定に符合しなければならない。期限を過ぎても提出しない若しくは規定に符合しないものを提出した場合は、出願を撤回したものとみなす。
 
第26条 出願者は農業事務局の通知を受領した日から3ヶ月以内に繁殖材料を提出しなければならない。種子を提出する場合、育成者権の出願者は、農業事務局が公布する保管センターまで送らなければならず、種苗、球根、塊茎、塊根など無性繁殖材料の場合、出願者は農業事務局が指定する試験機関へ送らなければならない。
 
第27条 繁殖材料は関連規定に基づき植物検疫を実施しなければならない。検疫に不合格の場合若しくは検疫を経ていない場合、保存センター又は試験機関は受理しない。
 
第28条 出願者が提出した繁殖材料の数量が農業事務局の規定を下回る場合、保蔵センター又は試験機関は出願者に通知しなければならず、通知の受領日から1ヶ月以内に補足しなければならない。特殊な状況下で、出願者が提出した規定の数量の繁殖材料を提出後もなお試験又は検査・測定の需要に足りない場合、農業事務極は出願者に不足部分を補充するよう要求する権利を有する。
 
第29条 保存センター又は試験機関は出願者が提出した繁殖材料を受領する際、書面による証明を発行しなければならず、繁殖材料を受領した日から20日以内に(休眠期の植物はこの限りではない)生活力などの内容の検査・測定を完成させなければならない。検査・測定に合格の場合、保存センター又は試験機関は、出願者へ検査・測定の合格証明を発行しなければならず、併せて農業事務局に通知しなければならない。検査・測定に不合格の場合、保存センター又は試験機関は出願者に、通知を受領した日から1ヶ月以内に当該品種の繁殖材料を提出することを通知しなければならない。
 
第30条 保存センター又は試験機関は出願者が提出した繁殖材料に対して守秘責任を有し、育成者権出願の審査機関と授権後の育成者権の有効期限内は、遺失や盗難などの事故の発生を防止しなければならない。
 
第31条 出願者が「条例」第23条の規定に基づき優先権を要求する場合、出願書に第1回目に提出した育成者権の申請の申請日、申請番号と当該申請を受理した国家を明記しなければならない。明記しないものは、優先権を要求していないものとみなす。出願者が提出した第1回目の育成者権の申請書類の副本は、元の受理機関の確認を経なければならない。
 
第32条 中国に通常の居所又は営業所のない出願者が、育成者権を出願する又は外国の優先権を要求する場合、農業事務局が必要と認める場合、次の書類を提供するよう要求することができる。
(1)国籍証明書。
(2)出願者が企業又はその他組織の場合、その営業所若しくは本部所在地の証明書。
(3)外国人、外国企業、外国のその他組織の所属国が、中国の組織と個人が当該国の国民と同等条件に基づき、当該国の品種出願権、優先権とその他育成者権に関連する権利を享受できると証明する文書。
 
第33条 出願者は農業事務局へ育成者権の出願を提出後、外国へ育成者権を出願する場合、農業事務局が発行する優先権の証明書類を請求することができる。
 
第34条 条例第19条第2項の規定に基づき、中国の組織と個人が出願する育成者権の植物新品種が国家の安全又は重大な利益にかかわり秘密を守る必要のある場合、出願者が出願書類に説明しなければならず、農業事務局は審査を経た後、秘密の出願処理が必要かどうか決定を下し、併せて出願者に通知しなければならない。農業事務局が秘密を守る必要があるとした場合、出願者の明記がなくても、秘密出願として処理し、併せて出願者に通知する。
 
第5章 育成者権の審査承認
 
第35条 予備審査、実体審査、再審査と無効の宣告手続きにおいて、審査の実施と再審査の担当者が次の情状の1に該当する場合、自主的に忌避しなければならず、当事者又はその他利害関係者はその忌避を要求することができる。
(1)当事者又はその代理人の親族である場合。
(2)育成者権の出願又は育成者権と直接利害関係にある場合。
(3)当事者又はその代理人とその他関係があり、公正な審査と審理に影響する可能性のある場合。
審査担当者の忌避の場合、農業事務局が決定し、再審査の担当者を忌避する場合、農業部が決定する。
 
第36条 1件の植物育成者権の出願に2つ以上の新品種が含まれている場合、農業事務局は審査料を支払う前に、出願者に分割出願を要求することができる、出願者は指定の期間内にその出願について分割出願をしない場合又は期限満了までに回答しない場合、出願は撤回されたものとみなす。
 
第37条 本細則第36条の規定に基づき、分割出願を行う場合、元の出願日を保留することができ、優先権を享受する場合は、優先権の出願日を保留できる、但し元の出願品種の範囲内を超えてはならない。
分割出願は条例及び本細則の規定に基づき関連手続きを行わなければならない。
分割出願の請求書には、元の出願の出願番号と出願日を明記しなければならない。元の出願が優先権を享受する場合は、元の出願の優先権の文書の副本を提出しなければならない。
 
第38条 条例第27条の規定に基づき、農業事務局は育成者権の出願に対して、予備審査を実施し、併せて審査意見を出願者に通知する。農業事務局は疑問のある場合、出願者に指定の期限内に意見の陳述又は補正を要求することができる。出願者が、期限が来ても返答しない場合、出願は撤回されたとみなす。出願者が意見を陳述又は補正後、依然として規定に符合しないと農業事務局が認める場合、出願を却下しなければならない。
 
第39条 育成者権の出願書類を除き、出願者は農業事務局へ育成者権の出願に関連する文書を提出しなければならず、次の情状の1に該当する場合は未提出とみなす。
(1)規定の様式を使用しない又は要求に符合しない記入を行なう。
(2)規定に依らず証明資料を提出しない場合。
農業事務局は未提出の審査意見とみなし、出願者に通知しなければならない。
 
第40条 育成者権の予備審査の合格公告日から育成者権の付与公告日前において、何人もみな「条例」に符合しない育成者権の出願について、農業事務局へ異議を提出することができ、併せて理由を説明することができる。
 
第41条 育成者権出願の説明書の修正部分は、個別の文字の修正又は添削を除き、規定の様式に従い差し替えを提出しなければならない。
 
第42条 「条例」と本細則の規定に基づき、育成者権の出願の実体審査を経て、却下すべき情状とは、
(1)「条例」第13条、第14条、第15条、第16条、第17条の規定の1に符合しない場合。
(2)本細則第4条の規定に属する。
(3)出願の修正又は分割出願が実体の内容上、元の説明書に記載の範囲を超過している場合。
 
第43条 農業部が育成者権付与の通知を出した後、出願者は通知を受領後3ヶ月以内に育成者権の証書の受取と1年度の年間費用を納付する手続きを行わなければならない。期日通りに行なったものについては、農業部は育成者権を付与し、育成者権の証書を交付し、公告する。育成者権は、育成者権の証書を交付した日から発効する。
期限が満了しても行なわない場合、育成者権の権利の取得を放棄したものとみなす。
 
第44条 農業部は経験を有する植物育種の専門家、栽培の専門家、法律の専門家と行政管理人員を招聘し植物新品種再審査員会を組織する。(以下再審査委員会と略称する)。
再審委員会の主任は農業部の責任者が兼任する。農業事務局は再審委員会の授権に基づき再審査の関連事務を執ることができる。
 
第45条 「条例」第32条第2項の規定に基づき、育成者権再審査委員会へ再審査を請求する場合、再審査請求書を提出しなければならず、理由を説明し関連の証明書類を添付しなければならない。請求書と証明書類は1式2部でなければならない。
出願者が再審査を請求する際、却下された育成者権の出願文書を修正することができる、但し修正は出願を撤回された決定にかかわる部分に限定しなければならない。
 
第46条 再審査請求書が規定の様式に符合しない場合、再審査請求者は再審査委員会が指定する期限内に補正しなければならない。期限が満了しても補正しない場合は、再審査請求を撤回したとみなす。
 
第47条 再審査委員会は再審査を実施後、再審査の請求が「条例」と本細則の規定に符合しないと認める場合、再審査請求者に指定の期限内に意見を陳述するよう通知しなければならない。期限が満了しても返答しない場合、再審査請求は撤回されたものとみなす。
 
第48条 再審査請求者は再審査委員会が決定を下す以前であれば、再審査請求を撤回することができる。
 
第49条 再審査委員会は出願書類の明らかな誤りに対して、改正することができ、且つ出願者に通知することができる。
 
第6章 育成者権の無効の宣告
 
第50条 「条例」第37条第1項の規定に基づき、如何なる組織や個人も育成者権の無効の宣告を請求する場合、再審査委員会へ育成者権の無効の宣告請求書と関連書類を1式2部提出し、証拠の事実と理由を説明しなければならない。
 
第51条 育成者権の無効を宣告する場合、以下の事実と理由に基づかなければならない。
(1)取得した育成者権が「条例」第13条、第14条、第15条、第16条、第17条のうちのいずれかに符合しない場合。
(2)取得した育成者権が本細則第4条の規定に属する場合。
 
第52条 育成者権の無効の宣告請求書において証拠の事実と理由が説明されていない又は提出した理由が本細則第51条の規定に符合しない場合、若しくは再審査委員会がひとつの育成者権の無効の宣告請求書を既に審理し且つ育成者権の維持を決定した場合、請求者は同一の事実と理由で無効の宣告を請求する場合、再審委員会は受理しない。
 
第53条 再審査委員会は育成者権の無効の宣告請求書の副本と関連文書の副本を育成者権者に送付しなければならず、その指定の期限内に意見の陳述を要求しなければならない。期限が満了しても返答しない場合、育成者権の再審査委員会の審理に影響しない。
 
第54条 条例第37条第1項の規定に基づき、再審査委員会はひとつの授権の品種名の変更の決定を下した後、農業部は登録と公告をする。農業事務局は速やかに育成者権者に通知しなければならず、育成者権の証書を交換しなければならない。
授権の品種名の変更後、育成者権者は元の品種の名称を再使用してはならない。
 
第55条 再審査委員会が無効の宣告の請求に決定を下す以前、無効の宣告の請求者はその請求を撤回することができる。
 
第7章 書類の提出、送達と期限
 
第56条 「条例」と本細則に規定する各種手続きは、書面の形式で取り扱わなければならない。
 
第57条 「条例」と本細則の規定に基づき提出する各種書類は中国語を使用しなければならず、且つ国家の統一規定の科学技術用語と標準用語を採用しなければならない。外国人名、地名と科学技術用語に統一した中国語の訳文のない場合は、原文を明記しなければならない。
「条例」と本細則の規定に基づき提出する各種証書と証明文書が外国語の場合、中国語の翻訳文章を添付しなければならない。添付しない場合、当該証明文書は提出されなかったものとみなす。
 
第58条 当事者が農業事務局と再審査委員会へ提出する各種文書は、筆跡に黒を用い、形や大きさを整えてはっきりと、ワープロ若しくは印刷しなければならない。申請書類の文字部分は横書きで、且つ用紙の片面のみを使用しなければならない。
 
第59条 当事者が提出する各種書類と取り扱うその他各種手続きは、申請者、育成者権者、その他利害関係者が署名又は押印しなければならない。代理機関に委託する場合、代理機関が押印しなければならない。育成者の氏名の変更請求、育成者権の申請者と育成者権者の氏名又は名称、国籍、住所、代理機関の名称と代理人の氏名の変更を請求する場合、農業事務局へ記録事項の変更手続きを行い、併せて変更理由と証明資料を添付しなければならない。
 
第60条 当事者が各種文書を提出する際、直接届け出ることもでき、また郵便で送付することもできる。郵送する際、書留郵便を使用しなければならず、小包郵便を使用してはならない。1件の書簡には、同一の出願文書のみ含まなければならない。郵送の場合は、送付した消印日を引渡し日とする、封筒上の消印がはっきりしない場合、当事者が証明を提出できる場合を除き、農業事務局と再審査委員会が受領した日を引渡し日とする。
農業事務局と再審査委員会の各種書類は、郵便、直接の引渡し又は公告の方法で当事者へ送達することができる。当事者が代理機関へ委託する場合、文書は育成者権の代理機関へ送る。代理機関に委託しない場合、文書は請求書の筆頭署名者又は代表者へ送る。当事者が文書の受入を拒絶した場合、当該文書は既に送達されたものとみなす。
農業事務局と再審査委員会が郵送した各種文書は、文書は発送した日から満15日を、当事者が文書を受領した日とみなす。
規定に基づき直接引渡す文書は交付日を送達日とする。
文書の送付住所が不明瞭で、郵便で送ることができない場合、公告の方法で当事者へ送達することができる。公告日から満2ヶ月で、当該文書が既に送達されたとみなす。
 
第61条 「条例」と本細則の規定する各種期限の第1日は期限内に計算しない。期限を年又は月で計算する場合、その最後の1月の相応日を期限満了日とする。当該月に相応日のない場合、当該月の最後の1日を期限満了日とする。期限満了日が、法定の祝祭日の場合、祝祭日後の第1営業日を期限満了日とする。
 
第62条 当事者が不可抗力の事由で「条例」又は本細則の規定の期限又は指定の期限に遅れ、その権利喪失を招いた場合、障害が除去された日から2ヶ月以内の、但し最も遅くとも期限満了日から2年以内であれば、農業事務局へ理由を説明し関連文書を添付し、その権利の回復を請求することができる。
当事者が正当な理由で「条例」又は本細則に規定する期限又は農業事務局が指定する期限に遅れ、その権利喪失を招いた場合、農業部の通知を受領した日から2ヶ月以内に農業部へ理由を説明し、その権利の回復を請求することができる。当事者が農業事務局の指定期限の延長を請求する場合、期限満了以前に、農業事務局へ理由を説明し関連手続きを行わなければならない。本条第1項と第2項の規定は、「条例」第23条、第32条第2、第3項、第34条、第37条、第2項の規定の期限を適用しない。
 
第63条 条例第22条の規定を除き、条例に言う出願日は、優先権のある場合、優先権日を指す。
 
第8章 費用と官報
 
第64条 育成者権の出願とその他手続きの処理の際、国家の関連規定に基づき、農業部へ出願費、審査費、年間費用と試験費を納付しなければならない。
 
第65条 「条例」と本細則に規定する各種費用は、直接納付することもでき、また郵便局若しくは銀行を通じて支払うこともできる。但し、電報為替の使用はできない。郵便若しくは銀行を通じて払い込む場合、出願番号又は育成者権番号、出願者又は育成者権者の氏名又は名称を明記しなければならない。郵便若しくは銀行を通じて払い込む場合、振込日を納付日とする。
 
第66条 条例第24条の規定に基づき、出願者は育成者権の出願所を送付すると同時に出願料を納付することもできるが、最も遅くとも出願日から2ヶ月以内に出願料を納付しなければならず、期限が満了しても未納又は未払いのある場合、その出願は撤回されたものとみなす。
 
第67条 予備審査の合格を経た育成者権の出願は、出願者が農業事務局の通知に基づき、規定の期限内に審査料を納付しなければならず、検査・測定の必要な場合は、更に検査・測定料も納付しなければならない。期限が満了しても納付しない又は未払いのある場合、出願は撤回されたものとみなす。
 
第68条 出願者は育成者権の証書を受取る際、育成者権を付与された初年度の年間費用を納付しなければならない。以後の年間費用は前年度の期限満了の1ヶ月前に予納しなければならない。
 
第69条 出願者又は育成者権者が付与された育成者権の初年度以降の年間費用を期限通りに納付しない場合、又は納付金額に足りない場合、農業部は出願者へ、納付すべき年間費用の満了日から6ヶ月以内に納付するよう通知しなければならず、同時に年間費用の25%の滞納金を納付する。期限が到来しても納付しない場合、年間費用を納付すべき満了日から育成者権は停止する。
 
第70条 出願者は本細則第64条に規定する一部費用の納付が困難な場合、規定に基づき、農業部へ減額・遅延の請求を提出することができる。減額・遅延の方法は別に規定する。
 
第71条 農業部は定期的に植物新品種保護の官報を公布し、育成者権に関連する内容を公告する。
 
第9章 罰則
 
第72条 条例第39条に規定する権利侵害の案件は、権利侵害行為の発生地の省クラスの農業行政部門が管轄する。2つ以上の省クラスの農業行政部門が管轄権を有する権利侵害の案件の場合、初めに立件した省クラスの農業行政管理部門が管轄しなければならない。省クラスの農業行政部門は権利侵害事件の管轄権について争議が発生したときは、農業部が管轄を指定する。農業部は必要な時は、権利侵害事件を直接処理することができる。省クラスの農業行政部門が権利侵害事件を重大、複雑、農業部が処理する必要があると認める場合、農業部へ取り扱いを報告し申請することができる。
 
第73条 省クラス以上の農業行政部門が権利侵害事件を扱う場合、次の条件に符号していなければならない。
(1)請求者は育成者権者又は育成者権の権利侵害事件と直接利害関係にある組織や個人。
(2)明らかに被請求者であり、具体的な要求と事実証拠のある場合。
(3)条例と本細則の規定に符合する。
(4)当事者のいずれか一方が人民法院へ起訴しない場合。
 
 第74条 条例第40条、第41条に言う授権品種の詐称行為とは次の情状の1を指す。
(1)偽造した授権品種の証書、育成者権出願番号、叉はその他育成者権の出願のしるし、育成者権のしるしを印刷又は使用した場合。
(2)既に却下、撤回とみなされた、若しくは撤回された育成者権の出願した出願番号又はその他育成者権出願のしるしを印刷若しくは使用した場合。
(3)既に停止又は無効の宣告をされた育成者権の証書、育成者権の番号又はその他授権品種のしるしを印刷又は使用した場合。
(4)本条第1項、第2項、第3項に言うしるしの品種と、見せかけの出願若しくは授権品種の名称を詐称した場合。
(5)授権品種の未使用のその登記登録の名称を販売した場合。
(6)その他他人に非育成者権の品種を育成者権の品種と誤解させるに足る行為の場合。
 
第75条 条例第40条、第41条の規定に基づき、県クラス以上の人民政府の農業行政部門は当該行政管轄区内の授権品種の詐称行為に対して監督と調査・処分の実施に責任を負う。
2つ以上の県クラス以上の農業行政部門が管轄権を有する詐称事件について、先に立件した県クラス以上の農業行政部門が管轄の責任を負わなければならない。ひとつ上級の農業行政部門は必要なときはひとつ下級の農業行政部門が管轄する授権品種の詐称事件を処理することができる。下級農業行政部門が授権品種の詐称事件が重大、複雑で上級農業行政部門の処理が必要と認める場合は、上級農業行政部門へ処理を報告・申請することができる。
 
第76条 農業行政部門は条例の第41条の規定に基づき、封印又は押収した植物品種の繁殖材料について、1ヶ月以内に取り扱わなければならない。
 
第77条 当事者が、育成者権の出願権又は育成者権により生じた紛争について、人民法院へ訴訟を起こし、且つ人民法院が既に受理した場合、農業事務局は関連手続き中止の申請をしなければならない。
前項の規定に基づき関連手続きを中止する場合、農業事務局へ申請書を提出し、且つ人民法院の受理に関連する文書の副本を添付しなければならない。
 
第10章 附則
 
第78条 既に撤回、却下とみなされた、及び自発的に撤回された育成者権の出願の公文書は、当該育成者権の失効日から2年以降は保存しない。既に、放棄された、無効の宣告と停止した育成者権の公文書は、当該育成者権の失効日から3年以降は保存しない。
 
第79条 本細則は農業部が説明の責任を負う。
 
第80条 本細則は公布日から施行する。 
 

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