一、商標の基礎知識

1、質問:海外で登録又は使用されている商標は、中国で保護を直接受けることができるか?

回答:専利と同様に、商標の保護は地域性規制を受け、海外でしか登録又は使用されていない商標は、中国で保護を直接受けることはできない。

中国は、登録による取得を主とし、使用による取得を補助とする商標権保護システムを採用しており、中国で、登録商標や未登録の馳名商標は商標法の保護を得ることができるが、登録されていないが、使用によって一定の知名度を有する商標は、不正競争防止法の保護を求めることができる。

中国は、登録による取得制を採用し、中国で、商標の登録出願を提出する場合、出願人は、当該商標素を既に使用しているか、又は使用する意図がある必要がない。

2、質問:中国の登録商標にはどのようなタイプがあるか?どのような要素を使用して商標を登録出願することができるか?

回答:登録商標には、商品商標、サービス商標、及び団体商標、証明商標が含まれる。

自然人、法人、又は他の組織の商品を他人の商品と区別できるいずれの標章は、文字、図形、アルファベット、数字、立体標章、色の組み合わせ及び音声等、並びに上記の要素の組み合わせを含めて、いずれも商標として登録出願することができる。

3、質問:中国商標の登録を出願するには、どのようなアプローチがあるか?どの言語を使うべきか?

回答:中国の自然人、法人、又は他の組織が生産経営活動中に、その商品又はサービスについて登録商標専用権を獲得する必要がある場合、商標の登録を中国国家知識産権局に直接出願するか、又は商標代理機構に委託して出願することができる。

中国に常居所や営業所がない外国者や外国企業は、中国商標代理機構に委託して中国国家知識産権局に商標の登録を出願するか、又はマドリッド商標登録体系により中国を指定するべきである。

商標登録出願又はその他の商標事項を処理する場合、中国語を使うべきである。

商標法及び商標法実施条例の規定に従って提出された様々な証書、証明書類及び証拠資料が外国語によるものである場合、中国語の訳文が添付しなければならない。添付されていない場合、当該証書、証明書類及び証拠資料を提出しなかったと見なす。

4、質問:中国で、どのような商品は、商標登録をしなければならないか?

回答:法律や行政法規にに基づき、登録商標を使用しなければならない商品については、商標登録出願をしなければならず、登録を許可されない場合には市場で販売してはいけない。

『中華人民共和国タバコ専売法』第十九条には、紙巻タバコ、葉巻タバコ及び包装された刻みタバコは、必ず商標登録出願をしなければならず、登録が許可されない場合には、生産・販売を行ってはいけないと規定されている。

二、商標登録の出願

5、質問:中国で商標登録の出願には、どのような書類を提出する必要があるか?

回答:(1)登録出願書、

(2)代理委任状、

(3)身分証明書類(営業許可証、工商登記証明書等)、

(4)商標デザイン、指定の使用商品又はサービス、

(5優先権を主張する場合、さらに、優先権証明書類を提出するべき、

商標登録出願人は、その商標を外国で初めて登録出願をした日から6ヶ月以内に中国で同一商品について同一の商標登録出願をするときは、当該外国と中国が締結した取り決め若しくは共同で加盟している国際条約、又は相互に承認する優先権の原則により、優先権を享受することができる。

前項の規定により優先権を主張するときは、商標登録出願をする時に書面で主張し、かつ3ヶ月以内に最初の出願に係る商標登録出願の願書書類の副本を提出しなければならない。書面による主張がないとき、又は期限内に商標登録出願の副本を提出しないとき、優先権を主張していないものと見なす。

中国政府が主催又は承認した国際展示会に出展した商品に最初に使用された商標であって、かつ当該商品が展示された日から6ヶ月以内であるときは、当該商標の出願人は、優先権を享受することができる。

前項の規定により優先権を主張するときは、商標登録出願をする時に書面で主張し、かつ3ヶ月以内にその商品が展示された展示会の名称、展示された商品に当該商標が使用した証拠、出展期日等の証明書類を提出しなければならない。書面による主張がないとき、又は期限内に証明書類を提出しないときは、優先権を主張しないものと見なす。

6、質問:中国で、一商標多区分の登録出願をすることができるか?

回答:商標の登録出願については、一商標一区分の登録出願をしてもよいし、一つの出願で複数の区分の商品について同一の商標を登録出願してもよい。登録出願の区分毎に、商標手数料を計算し、一商標一区分の形式で提出した三つの区分の登録出願の手数料は、一商標三区分の形式で提出した多区分の登録出願の手数料と同じである。

7、質問:中国商標の登録出願において使用商品の指定はニース分類に適するか?

回答:中国は、ニース分類に基づいて『類似商品及び役務の区分表』を作成した。

8、質問:どのような標章が商標として使用してはならないか?

回答:(1)中華人民共和国の国名、国旗、国章、国歌、軍旗、軍章、軍歌、勲章等と同一又は類似のもの及び中央国家機関の名称、標章、所在地の特定場所又は代表的な建築物の名称若しくは図形と同一のもの、

(2)外国の国名、国旗、国章、軍旗等と同一又は類似のもの、ただし、当該国政府の承諾を得ている場合は、この限りでない、

(3)政府間国際組織の名称、旗、徽章等と同一又は類似のもの、ただし、当該組織の承諾を得ている場合、又は公衆に誤認を生じさせない場合は、この限りでない、

(4)管理措置の実施及び保証の付与を示す政府の標章又は検査印と同一又は類似のもの、ただし、その権利の授権を得ている場合は、この限りでない、

(5)「赤十字」、「赤新月」の名称、標章と同一又は類似のもの、

(6)民族に対する差別的扱いの性質を帯びたもの、

(7)欺瞞性を帯びており、商品の品質等の特徴又は産地について公衆に誤認を生じさせやすいもの、

(8)社会主義の道徳、風習を害し、又はその他の悪影響を及ぼすもの。

9、質問:複数の意味を有する商標が悪影響を与えるか否かをどのように判断するか?悪影響を与える商標は、使用により専用権を取得できるか?

回答:複数の意味を有する商標標章は、そのうちの1つの意味が悪影響を有するものである場合、当該商標標章は、悪影響を与えると考えるべきであるため、商標として使用できない。

悪影響を与えると考えられる商標標章は、登録が許可された後、使用により知名度が高くなり、さらには馳名商標になったとしても、これにより登録の正当性が得られない。

10、質問:どのような標章が、顕著な特徴にかけるために商標として登録できないか?

回答:(1)その商品の一般名称、図形、規格にすぎないもの、

(2)商品の品質、主要な原料、機能、用途、重量、数量及びその他の特徴を直接的に表示したにすぎないもの、

(3)その他の顕著な特徴にかけるもの。

前項に掲げる標章であって、使用により顕著な特徴を獲し、かつ容易に識別できるものは、商標として登録することができる。

11、質問:登録出願の商標が顕著性を有するか否かをどのように判断するか?

回答:商標に顕著な特徴がある否かを審査する場合、商標の使用が指定された商品に関連公衆の一般的な知識に応じて、当該商標が全体として顕著な特徴を有するか否かを判断するべきである。商標の標章には、説明性要素が含まれるが、その全体の顕著な特徴に影響を与えないか、又は説明性標章を独特な方法で表現し、商標の標章は、それで関連公衆が商品の出所を識別することができると、顕著な特徴を有すると認定されるべきである。

12、質問:地名を商標として登録する場合、どのような問題があるか?

回答:県級以上の行政区画の地名や公衆に知られている外国地名は、その地名に由来する商品に使用するには顕著性に欠け、その地名に由来しない商品に使用するには産地誤認が生じ易く、いずれも登録してはいけない。

ただし、その地名が別の意味持つ場合、又は団体商標、証明商標の一部である場合は、この限りでない。地名を使用して既に登録された商標は、引き続き有効とする。

13、質問:立体標章の登録商標を出願するには、どのような問題があるか?

回答: 単に商品自体の性質により生じた立体形状、技術的効果を得るために必要な商品の立体形状、又は商品に実質的価値を備えさせるための立体形状であるときは、機能性を有するが、顕著性に欠けるため登録してはいけない。

独創性は、著作権法の分野の認定規定に属し、それは顕著性に等しいものではなく、商標法の分野に直接使用できず、独創性が高いか又は出願人が初めて発明した立体標章は当然に顕著性を有するのではない。立体標章は、商品自体との区別が明確であり、商品の汎用標章又は汎用形状と十分に大きな差を有することを必要とし、この場合こそ、商品の出所を区別する顕著性を有する可能性がある。

14、質問:中国で商標登録出願の実体審査を行うか?異議を前置するか、又は後置するか?

回答:実体審査をしなければならない。審査官は、絶対的理由を審査するだけでなく、相対的理由、即ち、出願商標が、同一又は類似の商品において他人の既に登録された商標又は初歩査定された商標と同一又は類似するか否かも審査する。

異議手続きは、登録手続きの前に行われ、異議の前置である。審査を経て、拒絶理由が発見されていない場合、初歩査定公告が中国国家知識産権局よって行われ、公告日から3ヶ月を異議申立期限とし、関係者は異議を提起することができる。公告期間が期間満了になるまで異議がない場合、登録を承認し、商標登録証を発行する。

15、質問:商標の継続登録には、どのような制限があるか?

回答:商標登録出願に対して個別審査を行う。商標出願人が先行商標を登録した後、且つ商標を再出願する前に、他人が同一又は類似の商品において再出願の商標と同一又は類似の商標を登録し、かつ持続的な使用により一定の知名度を持つ場合、商標の再出願人が、当該先行商標が既に使用されているか又は使用により知名度を持っており、関連する公衆が混同し難いことを証明できない状況で、商標の再出願人はその新規出願が登録されるべきであると主張する場合、サポートしなくてもよい。

審査実務により、継続登録は一般的に許可されないことが証明される。

三、登録商標の専用権

16、質問:登録商標の専用権の開始段階で、他人が異議手続き中の商標を使用して賠償を要求することができるか否か?

回答:商標は、登録日から専用権を享受し、公告期限内の商標は、専用権を享受しない。

審査により異議が成立せず、登録が許可された商標について、商標登録の出願人が商標専用権を取得した時間は、初歩査定公告からの3ヶ月の期間満了日から計算する。当該商標公告の期間満了日から登録許可決定を下すまで、他人が同一又は類似の商品において当該商標と同一又は類似の標章を使用する行為に対して遡及力を有さないが、当該使用者の悪意により商標登録者に損失を与えたとき、賠償するべきである。

17、質問:登録商標の専用権の範囲は?

回答:登録商標の専用権は、登録が承認された商標及び使用が査定された商品に限られる。

登録商標は、査定された使用範囲外の商品において商標の専用権を取得する必要がある場合、登録出願を再提出するべきである。登録商標は、その標章を変更する必要がある場合、登録出願を再提出するべきである。

18、質問:登録商標の有効期間は何年?いつ更新を出願できるか?

回答:登録商標の有効期間は10年とし、当該商標の登録日から起算する。商標登録者は、期間満了前の12ヶ月以内に更新手続きを行わなければならず、この期間内に手続きをしなかった場合は、6ヶ月の延長期間を与えることができ、毎回の更新登録の有効期間は10年とし、更新を無限回行うことができる。

19、質問:登録商標は譲渡できるか?

回答:出願中の商標及び既に登録が許可された商標は、何れも譲渡処理が可能で、譲渡申請は、中国国家知識産権局に提出するべきであり、登録商標の譲渡は承認された後、公告される。譲受者は、公告日より商標の専用権を享受する。

登録商標を譲渡するとき、商標登録者は、同種商品について登録した類似の商標、又は類似の商品について登録した同一又は類似の商標を合わせて譲渡するべきである。

混同を引き起こしやすい、又はその他の悪影響を及ぼす譲渡について、中国国家知識産権局は承認しない。

20、質問:登録商標の使用を他人に許可することができるか?

回答:登録商標の使用を他人に許可することができる。商標登録者は、商標使用許諾契約を締結することにより、他人が当該登録商標を使用することを許諾することができる。許諾者は、被許諾者が当該登録商標を使用する商品の品質を監督しなければならない。被許諾者は、当該登録商標を使用する商品の品質を保証しなければならない。

他人にその登録商標の使用を許諾するときは、許諾者は当該商標使用許諾を中国国家知識産権局に届け出なければならず、商標使用許諾が届け出られていないときは、善意の第三者に対抗することができない。

21、質問:商標の使用とは?商標を使用しない結果は?

回答:商標法には、商標の使用とは、商品、商品の包装若しくは容器及び商品取引書類を用いること、又は広告宣伝、展示及びその他の商業活動を用いることにより、商品の出所を識別するための行為をいうと規定されている。

登録商標が正当な理由なく継続して3年間使用しなかったときは、いかなる単位又は個人も、中国国家知識産権局に当該登録商標の取消を請求することができる。

登録商標専用権者が賠償を請求し、権利侵害と訴えられた者により登録商標専用権者が登録商標を使用していないとの抗弁がなされたときは、人民法院は、登録商標専用権者に、これまで3年以内に当該登録商標を実際に使用している証拠を提供するよう求めることができる。登録商標専用権者は、これまで3年以内に、当該登録商標を実際に使用していることを証明できず、権利侵害行為によりその他の損失を受けたことを証明できない場合、権利侵害と訴えられた者は、損害賠償の責任を負わない。

22、質問:登録商標の取り消し手続きを適用するケースにはどれが含まれるか?取り消し手続きにはどのような規定があるか?

回答:商標登録者が登録商標を使用する過程において、登録商標、登録者の名義、住所又はその他の登録事項を許可なく変更したときはの市場監督管理部門により期間を定めて是正するよう命じる。期間が満了しても是正しない場合は、中国国家知識産権局によりその登録商標を取り消す。

登録商標が使用許可された商品の汎用名称となり、又は正当な理由なく継続して3年間使用しなかった場合は、いかなる単位又は個人も、中国国家知識産権局に当該登録商標の取消を請求することができる。

中国国家知識産権局が、取消の申請を受領した後、登録者に通知し、9~12ヶ月以内に登録商標を取り消すか又は取り消さない決定を下すべきである。当事者が不服する場合、再審を請求することができる。中国国家知識産権局は、再審の請求を受領してからの9~12ヶ月以内に再審決定を下すべきであり、当事者が不服する場合、北京知識産権法院に起訴することができる。

23、質問:単純な輸出行為は、商標の使用に属するか?

回答:登録商標を使用する商品が、中国国内で流通されず、直接輸出される場合、当該商標登録者が、単純な輸出行為を理由として取消手続き中の商標登録を維持することを要求するとき、商標の使用として認定し、当該商標登録を維持することができる。

四、商標異議、無効、拒絶査定不服審判に関連する手続き

24、質問:馳名商標の認定原則は何?

回答:馳名商標には、応需認定の原則が実行される。中国国家知識産権局は、案件の審査・処理の必要性に応じて、最高人民法院が指定した人民法院は、商標の民事、行政案件を審理する必要性に応じて、商標の馳名性の状況について認定することができる。

生産、経営者は、「馳名商標」の表示を商品、商品の包装若しくは容器に使用したり、又は広告宣伝、展示及びその他の商業活動に使用したりしてはならない。

25、質問:馳名商標は、どのような拡張保護を取得できるか?

回答: 同一又は類似の商品について登録を出願した商標が、中国で登録されていない他人の馳名商標を複製、模倣又は翻訳したものであって、混同を引き起こしやすいときは、その登録をせず、かつ使用を禁止する。

非同一又は非類似の商品について登録を出願した商標が、中国で登録されている他人の馳名商標を複製、模倣又は翻訳したものであって、公衆を誤認させ、当該馳名商標登録者の利益に損害を与える恐れがあるとき、その登録をせず、かつ使用を禁止する。

同一又は類似の商品において使用した商標が、中国で登録されていない馳名商標を複製、模倣又は翻訳したものであって、商標に対する権利侵害を構成する。当該権利侵害に係わる商標が登録されてもなくても、登録されていない馳名商標の所有者は、商標権利侵害について訴訟を提起することができる。

26、質問:商標登録の出願が拒絶された後、どのような救済ルートがあるか?

回答: 審査官は、審査により出願商標に登録してはいけない絶対的又は相対的事柄があることを見出して、商標登録の出願を拒絶した後、商標登録の出願人が不服する場合、法定期間内に再審を請求するべきである。中国国家知識産権局は、再審の申請を受領してからの9~12ヶ月以内に再審決定を下すべきである。商標登録の出願人が再審決定に不服する場合、法定期間以内に北京知識産権法院に起訴するべきである。

27、質問:代理人及び代表者が被代理人、被代表者の商標を出願した結果は何か?

回答: 授権されていない代理人又は代表者が自らの名義により被代理人又は被代表者の商標を登録し、被代理人又は被代表者が異議を申し立てたときは、その登録をせず、かつその使用を禁止する。

同一の商品又は類似の商品について登録出願された商標が、他人により先使用されている未登録商標と同一又は類似し、出願人は、当該他人と前項の規定以外の契約、業務関係又はその他の関係が持っていることにより、当該他人の商標の存在を明らかに知っており、当該他人が異議を申し立てたときは、その登録を拒絶する。

28、質問:商標出願が先に存在する他人の権利と衝突した結果は?

回答:商標登録出願は、先に存在する他人の権利を侵害してはならず、他人が先に使用し、かつ一定の影響力のある商標を不正な手段で抜け駆け登録してもならず、そうでなければ、関連権利者は、異議手続き又は無効宣告手続きにより、その登録を取り消すことができる。

29、質問:先行氏名権と逝去有名者の保護とは、どのような区別点があるか?

回答:先行氏名権とは、生きている自然人が享受する氏名権をいう。

商標標章又はその構想要素は、特定の業界、地域の逝去有名者の氏名、肖像等と同一又は類似し、これにより、公衆が、当該商標の使用が指定された商品又はサービスの品質、信用、プロセス等の特徴を誤認することになり、欺瞞性を有すると認定できるため、登録を拒絶する。

商標標章又はその構成要素は、逝去の政治、経済、文化、宗教、民族等の著名な人物の氏名、肖像等と同一又は類似し、中国の社会公共利益及び公共秩序に対して、消極的で負の影響を及ぼす可能性がある場合、「その他の悪影響」の場合に属すると認定されて、登録を拒絶する。

30、質問:商標登録出願の異議手続きにはどのような規定があるか?

回答:審査官は、審査により出願商標に登録してはいけない事柄を見出していなかったとき、出願商標に対して初歩査定公告を行い、公告期間は、3ヶ月である。先行権利者、利害関係者は、登録を許可しないべきである相対的な事柄が初歩査定の商標にあると主張するとき、異議を提出してもよく、登録を許可しないべきである絶対的な事柄が初歩査定の商標にあることを見出した誰でも、中国国家知識産権局に異議を提出することができる。

審査官は、異議者及び被異議者が陳述した事実及び理由を聞かなければならず、調査して検証した後、公告期間満了日より12~18ヶ月以内に登録を許可するか否かの決定を下す。

中国国家知識産権局が、登録を許可する決定を下し、商標登録証を発行して、公告する。異議者が不服する場合、当該商標登録日の後、当該登録商標の無効を宣告するように請求することができる。

中国国家知識産権局が、登録を許可しない決定を下し、異議者が不服する場合、再審を申請することができる。再審は、12~18ヶ月以内に審決する必要があり、被異議者が再審決定に不服する場合、北京知識産権法院に行政訴訟を提起することができる。

31、質問:絶対的理由には、どのような悪意登録が含まれるか?

回答:(一)使用を目的としない商標登録の悪意出願。

(二)欺瞞的な手段又はその他の不正な手段によって登録を受けた場合には、高い顕著性又は一定の知名度を有する他人の商標を大量に登録することが含まれるが、これに限定されない。

32、質問:絶対的理由を基礎とする登録商標の無効宣告手続きにはどのような規定があるか?

回答:無効宣告手続きは、登録商標のみに適用される。絶対的理由を基礎として、無効宣告を提起するには、登録商標が5年になったか否かの制約を受けない。

決定理由を違反した登録商標について、中国国家知識産権局は、当該登録商標の無効を宣告することができ、その他の単位又は個人も中国国家知識産権局に当該登録商標の無効宣告を請求することができる。

中国国家知識産権局は、当該登録商標の無効を主動的に宣告する場合、商標登録者に通知するべきである。登録者が不服する場合、再審を申請することができる。中国国家知識産権局は、再審の申請を受領してからの9~12ヶ月以内に決定を下すべきである。登録者が再審決定に不服する場合、北京知識産権法院に起訴することができる。

その他の単位又は個人が中国国家知識産権局に登録商標の無効宣告を請求する場合、中国国家知識産権局は、書面で登録者に答弁することを通知するべきであり、無効宣告申請を受領した日より9~12ヶ月以内に登録商標を維持するか又は登録商標の無効を宣告する決定を下す。申請人又は登録者が不服する場合、北京知識産権法院に起訴することができる。

33、質問:相対的理由を基礎とする登録商標の無効宣告手続きにはどのような規定があるか?

回答:商標登録日より5年以内に、先行権利者又は利害関係者は、相対的理由を基礎として、中国国家知識産権局に当該登録商標の無効宣告を請求することができる。悪意登録に対して、馳名商標の所有者は、5年の時間制約を受けない。

中国国家知識産権局は、無効申請を受領した後、登録者に期間を限定して答弁を提出することを通知するべきであり、申請を受領した日より12~18ヶ月以内に、登録商標を維持するか又は登録商標の無効を宣告する決定を下す。当事者が無効決定に不服する場合、北京知識産権法院に起訴することができる。

34、質問:登録商標が無効宣告された結果は?

回答:無効宣告された商標については、中国国家知識産権局によって公告される。当該登録商標の専用権は、初めからなかったものとみなす。

登録商標の無効を宣告する決定は、無効宣告される前に人民法院で行われかつ執行された商標権侵害案件の判決、裁定、調停書及び工商行政管理部門で行われかつ執行された商標権侵害案件の処理決定、並びに履行された商標譲渡又は使用許諾契約に対して遡及力を有しない。ただし、商標登録者の悪意により他人に与えた損害は、賠償しなければならない。

前項の規定により商標権侵害の賠償金、商標譲渡料、商標使用料を返却しなければ、明らかに公平の原則に反するときは、全部又は一部を返却しなければならない。

五、商標専用権の保護

35、質問:登録商標専用権を侵害する状況には何があるか?

回答:(一)商標登録者の許諾を得ずに、同一の商品にその登録商標と同一の商標を使用すること。

(二)商標登録者の許諾を得ずに、同一の商品にその登録商標と類似の商標を使用し、又は類似の商品にその登録商標と同一若しくは類似の商標を使用し、容易に混同を生じさせること。

(三)登録商標専用権を侵害する商品を販売すること。

(四)他人の登録商標の標章を偽造若しくは無断で製造し、又は偽造若しくは無断で製造した登録商標の標章を販売すること。

(五)商標登録者の同意を得ずに、その登録商標を変更し、変更した商標を使用する商品を再び市場に投入すること。

(六)他人の商標専用権を侵害する行為に対して、故意に便宜を提供し、他人による登録商標専用権侵害行為の実施を幇助すること。

(七)他人の登録商標専用権にその他の損害を与えること。

36、質問:登録商標専用権を侵害する抗弁には何があるか?

回答:(一)汎用名称の正当な使用、地名の正当な使用、その他の記述性要素の正当な使用を含む正当な使用抗弁、

(二)先行権利抗弁(先行商標権、先行企業名権、先行著作権、先行氏名権、先行意匠権、著名商品特有名称及び包装装飾権等)、

(三)悪意登録抗弁、

(四)合法由来抗弁、

(五)権利使い切れ抗弁。

37、質問:商標専用権侵害による賠償に関する規定には何があるか?

回答:商標専用権侵害の賠償金額は、権利者が侵害により受けた実際の損失により確定する。実際の損失を確定することが困難な場合には、権利侵害者が侵害により得た利益により確定することができる。権利者の損失又は権利侵害者が得た利益を確定することが困難な場合には、当該商標許諾使用料の倍数を参照して合理的に確定する。悪質な商標専用権侵害行為で情状が重大な場合、上述の方法により、確定した金額の1倍以上5倍以下で賠償金額を確定することができる。賠償金額には、権利人が侵害行為を人為的に抑止するために支払った合理的な支出が含まなければならない。

権利者が権利侵害により受けた実際の損失、権利侵害者が権利侵害により得た利益、及び登録商標許諾使用料を確定することが困難な場合には、人民法院は、権利侵害行為の情状に応じて500万元以下の賠償金の支払いを判決する。

38、質問:中国で、商標権侵害を規制する主管部にはどのような部門があるか?

回答:市場監督管理局、一部の知識産権局、公安局(刑事)、法院及び税関。

39、質問:商標犯罪に関する罪名及び法律規定は何か?

回答:(一)登録商標偽造罪

登録商標偽造罪とは、所定の商標管理法規に違反し、登録商標所有者の許諾を得ず、同一の商品についてその登録商標と同じ商標を使用することであり、情状が重大な行為である。

(二)登録商標を偽造した商品の販売罪。

(三)登録商標標識を違法で製造、販売する罪。

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